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公開事例の目次 › PART 2

分析事例の公開版|PART 2 実践

PART 2 競合を探索する

選定の結果と、6ブランドの比較・企業グループ。

STEP 0-01

dプログラムを起点に、詳細比較対象を抽出する

詳細比較対象は近接順位で選び、比べる中身は起点の5つの特徴になる。

起点 d program 資生堂の敏感肌ブランド 課題 敏感・肌あれ 価値 敏感肌のための厳選成分で角層バリアを 整え、薬用有効成分でニキビを防ぐ 根拠 50年以上の敏感肌研究 販売チャネル ドラッグストア・量販店・EC 継続施策 肌状態別の3シリーズ・詰め替え PART 2で決めること 01 詳細比較対象 近接順位の上位5を基準に、5位と同点を含めて決める 結果 IHADA・アルージェ・カルテHD・ミノン・アベンヌの5ブランド 02 比較する軸 PART 1の探索軸と分析軸を6ブランドに同じ条件で当てはめる 結果 6ブランドのうち4つは製薬会社が関わる。違いはケアの手段と根拠に出る 03 比較から得られた論点 探索軸と分析軸の比較から根拠付きで一覧にする 結果 9つの論点を、PART 3で公式サイトから掘り下げる

STEP 1-01

起点ブランドの確認:dプログラムの公開発信

dプログラムの公開発信を、課題・価値・根拠・販売チャネル・継続施策の5つに分けて整理する。

課題 敏感・肌あれ 消費者の肌課題 価値 敏感肌のための 厳選成分で角層バリアを 整え、薬用有効成分で ニキビを防ぐ 角層バリアへの着目 根拠 50年以上の敏感肌研究 公式の敏感肌サイエンス 販売チャネル ドラッグストア・ 量販店・EC 公式が案内する販売先 継続施策 肌状態別の3シリーズ・ 詰め替え 肌状態に合わせて選べる この5つの特徴で、選んだ詳細比較対象とdプログラムを比べる。

STEP 1-02

dプログラムから見た近接順位と詳細比較対象

総合の一致度は5位のアベンヌまで81以上で、その次のキュレルとセタフィルは77に下がる。

近接順位の物差し 分析基準日 2026-10-12 公式WEBなどの公開情報から算定 ブランド 提供価値 25% 販売チャネル 25% 対象ニーズ 25% 価格帯 25% 総合 一致度 1位 IHADA 同一資本グループ 100 75 100 100 94 1位 Arouge 100 75 100 100 94 同格 Carté HD 100 60 100 100 90 同格 MINON 75 50 100 100 81 同格 Avène 資生堂が合弁に参加 50 75 100 100 81 対象外 Curél 33 75 100 100 77 対象外 Cetaphil 67 40 100 100 77 対象外 CareCera 67 75 50 100 73 詳細比較対象の選び方 ・近接順位の上位5を基準に、5位と同点を 含めて選ぶ。 ・IHADAとアルージェが同点で先頭、カルテHD・ ミノン・アベンヌが続く。 ・5位のアベンヌと6位のキュレルの差は 4ポイントで、ここで線を引く。 ・5ブランドは対象ニーズと価格帯が一致し、 提供価値と販売チャネルで差がつく。 総合の算定 ・提供価値・販売チャネル・対象ニーズは、 分類の重なりで測る。 ・価格帯は、価格帯の段差で測る。 ・総合は、4項目を各25%で平均した値。

STEP 1-03

ブランド公開情報を簡易的に横断比較

薬用や低刺激の説明が重なるブランドでも、ケアの手段として挙げる成分や処方は異なる。

ブランド 課題 価値 根拠 販売チャネル 継続施策 d program 敏感・肌あれ 敏感肌のための 厳選成分で角層バリアを 整え、薬用有効成分で ニキビを防ぐ 50年以上の敏感肌研究 ドラッグストア・量販店・ EC 肌状態別の3シリーズ・ 詰め替え IHADA 乾燥・肌あれ・ トラブル予防 アラントインなどの 有効成分で肌荒れを 防ぐ薬用の低刺激ケア 肌あれ防止の有効成分2種・ 低刺激設計 薬局・ドラッグストア・EC 詰め替え・3つのケアの 商品体系 Arouge 敏感・乾燥・肌トラブル 抗炎症成分で肌荒れを防ぎ、 ナノ化天然セラミドで 角層を うるおす敏感肌向けのケア 低刺激処方・敏感肌研究室 薬局・ドラッグストア・EC 詰め替え・ 2026年9月からシリー ズ再編 Carté HD 乾燥・肌あれ・高保湿 ヘパリン類似物質で保湿し、 肌あれを防ぐ薬用の 高保湿ケア 製薬背景・ ドクターズコラム ドラッグストア・ バラエティ・EC 定期購入・会員制度 MINON 敏感・乾燥 アミノ酸系の 低刺激性処方で敏感な肌を 整え、水分を保つ 製薬会社の皮膚科学に 基づく処方・4つの テスト済み表示 薬局・ドラッグストア・EC 詰め替え・ 3ステップのお手入れ 早見表 Avène 敏感・ゆらぎ・乾燥 アベンヌ温泉水で肌を整え、 健やかに保つ敏感肌向けの 低刺激のケア 皮膚科学研究・ 専門医による敏感肌対象の テスト ドラッグストア・EC 美容ステップで使用順序と 組み合わせを案内 図から読み取れること ・課題と販売チャネルは6ブランドで近く、 違いはケアの手段に出る。 ・価値の欄で薬用を挙げるのはdプログラム・ IHADA・カルテHD。手段は厳選成分と 薬用有効成分、アラントインなどの有効成分、 ヘパリン類似物質に分かれる。 ・価値の欄で低刺激を挙げるのはIHADA・ ミノン・アベンヌ。手段は有効成分、 アミノ酸系処方、温泉水に分かれる。 ・アルージェは、抗炎症成分と ナノ化天然セラミドを示す。

STEP 2-01

探索軸1 対象ニーズ×提供価値×提供方法

6ブランドは対象ニーズが共通し、提供価値はケアの手段に挙げる成分・処方で分かれる。

対象ニーズ 敏感・乾燥・肌あれに関わる肌の悩み d program IHADA Arouge Carté HD MINON Avène 提供価値 厳選成分で 角層バリアを整える 薬用ケア 有効成分で肌荒れを 防ぐ薬用の 低刺激ケア 抗炎症成分で守り、 セラミドで うるおすケア ヘパリン類似物質で 保湿する薬用ケア アミノ酸系の 低刺激処方で うるおすケア 温泉水で肌を整える 低刺激ケア 提供方法 ドラッグストア・ 量販中心 薬局・ ドラッグストア中心 薬局・ ドラッグストア中心 ドラッグストア・ バラエティ・EC複合 薬局・ ドラッグストア中心 薬局・ ドラッグストア中心

STEP 2-02

探索軸2 価格帯×販売チャネル

1.価格帯の位置と代表商品の価格

比較ブランドはいずれもMiddle・開放流通に位置するが、代表商品の価格には明らかな開きがある。

価格帯×販売チャネルの全体構造 公開100ブランド 価格帯 百貨店・ 専門店 直販 EC中心 多チャネル 開放流通 Luxury 7 1 - - - Prestige 10 5 3 3 1 Middle 3 12 8 9 25 6ブランド Mass - 1 - - 12 代表商品の価格 ブランド 代表商品 容量 価格・税込 価格の種類 d program モイストケア ローション EX 125mL 3,300円 参考小売価格 IHADA 薬用うるおいローション 180mL 1,650円 参考小売価格 Arouge モイスチャー ミストローションⅡ 150mL 2,530円 メーカー希望小売価格 Carté HD モイスチュア ローション 150mL 2,090円 公式掲載価格 MINON モイストチャージ ローション I しっとりタイプ 150mL 2,200円 観測価格 Avène アベンヌ ウオーター 300g 2,420円 参考小売価格

STEP 2-02

探索軸2 価格帯×販売チャネル

2.公式が案内する届け方

dプログラムとカルテHDはともに3つの販売チャネルを案内し、量販店とバラエティで組み合わせが分かれる。

販売チャネルの全体構造 百貨店・専門店 直販 EC中心 多チャネル 開放流通 6ブランド ブランド 百貨店 化粧品専門店 直営店 バラエティ 薬局・ ドラッグストア 量販店 EC d program - - - - IHADA - - - - - Arouge - - - - - Carté HD - - - - MINON - - - - - Avène - - - - - 図から読み取れること 6ブランドとも、薬局・ドラッグストアでの 取り扱いを案内している。 オンラインでの販売チャネルはここでは「EC」 に集約しているが、実際には多くの選択肢が 存在し、各ブランドの取り入れ方も様々である。

STEP 2-03

分析軸1 情報発信

1.ブランドごとの発信と根拠

dプログラムは研究の蓄積を、IHADAは成分と効能を、アルージェは試験とその範囲を前に出す。

価値の 説明 語る 起点 訴える 理由 展開の 仕方 d program 公式Xで季節のキャンペーンを発信し、受賞をリリースで発表する。 薬用濃密美容液では、角層への浸透と長時間のうるおいを訴求する。 50年以上の皮膚科学研究を掲げ、肌の状態を「なめらか美肌」と 表現する。 肌悩み、美肌菌、角層バリアへと研究テーマを更新し、詰め替えも 用意する。 研究の蓄積と機能を軸に、肌の状態を表す言葉も 重ねて価値を伝える。 比較の焦点は、カルテHDの成分の働きの説明、 アベンヌの温泉水と販売実績との違いにある。 IHADA 公式TikTokで発信し、公式サイトにはハッシュタグ検索や X検索へのリンクを置く。 薬用うるおいローションでは、肌あれ・乾燥・ニキビを防ぐ効能を 訴求する。 有効成分と高精製ワセリンの配合を製品ページで説明する。 薬用・治療・防御の3つのケアで製品を分け、本体と詰め替えを 用意する。 成分と効能の説明を中心に、肌トラブルへのケアを 伝える。 dプログラムが研究の蓄積を前に出すのに対し、 IHADAは成分と効能の説明が中心になる。 Arouge 限定セットと刷新を公式ニュースで伝え、公式Xでも発信を続ける。 無添加の項目と、パッチテストなどの試験を実施したことを 列挙する。 試験済みの表記に、刺激などが生じる可能性の注記を添える。 2026年7月31日の全薬工業のリリースで、 9月から順次3シリーズへ再編すると公表した。 処方と試験の実施、その適用範囲を説明している。 IHADAと同じく成分と処方を説明の中心に置き、 試験の範囲まで示す点が異なる。

出典 全薬工業 ニュースリリース 2026年7月31日

STEP 2-03

分析軸1 情報発信

2.ブランドごとの発信と根拠

カルテHDは成分の働きを、ミノンは肌へのやさしさを、アベンヌは温泉水と販売実績を前に出す。

価値の 説明 語る 起点 訴える 理由 展開の 仕方 Carté HD TVCMを全国で放送し、InstagramとXを運用する。 モイスチュア ローションの商品説明で、医薬部外品の効能を 列挙する。 ヘパリン類似物質HDが角層のうるおい構造に働く仕組みを 説明する。 化粧水からUVまで製品を展開し、新しいゲルの発売を事前に 告知した。 成分の働きと効能を説明し、TVCMとSNSでも価値を 伝える。 dプログラムの研究史、アベンヌの温泉水とは違い、 成分の働きそのものを根拠にする。 MINON TVCMを放映し、公式SNSはInstagram・X・LINEへリンクする。 1973年の誕生以来の敏感肌研究と、2025年8月の主力ライン刷新を 伝える。 アミノ酸や貯水力の機能説明に、肌へのやさしさを伝える言葉を 重ねる。 肌の状態や悩みに合わせて選べる5つのラインを展開し、2025年に 14品目を刷新した。 TVCMとSNSで発信し、機能の説明と肌へのやさしさを 重ねて伝える。 dプログラムと同じく機能を説明し、違いは 肌へのやさしさを伝える言葉にある。 Avène Instagram・X・YouTubeなどの公式SNSを案内し、 日本発売40周年のブランド動画を公開する。 アベンヌ ウオーターの長年の販売実績と、成分を変えずに 販売してきた経緯を伝える。 温泉水の成分とミネラルバランスを、皮膚科学の説明と結びつけて 伝える。 2026年2月20日のピエール ファーブル ジャポンのリリースで、 40周年の限定セットを3月21日に発売予定と発表した。 温泉水の成分と皮膚科学を根拠に、長年の販売実績を 伝える。周年の発信では、限定セットと ブランド動画を組み合わせる。 dプログラムの研究史、カルテHDの成分の働きとは 違い、温泉水と販売の年数を根拠に置く。

出典 ピエール ファーブル ジャポン ニュースリリース 2026年2月20日

STEP 2-04

比較する6ブランドの企業グループ

製薬会社が関わるのは、アルージェ、カルテHD、ミノン、アベンヌの4ブランド。資生堂はd programとIHADAを所有し、アベンヌの日本での運営会社には合弁で参加する。

ブランドブランドの所有企業企業グループ日本での運営合弁に参加する企業
d programdプログラム資生堂資生堂資生堂-
IHADAイハダ資生堂資生堂資生堂-
Arougeアルージェ全薬工業全薬ホールディングス全薬工業-
Carté HDカルテHDコーセーマルホファーマコーセーコーセーマルホファーマコーセー・マルホ
MINONミノン第一三共ヘルスケア第一三共第一三共ヘルスケア-
Avèneアベンヌピエール ファーブルピエール ファーブルピエール ファーブル ジャポン資生堂・ピエール ファーブル

STEP 2-05

探索軸と分析軸の要点を整理

探索軸と分析軸、これまで見てきた情報を整理する。

軸d programIHADAArougeCarté HDMINONAvène横断して見えること
探索軸1対象ニーズ敏感・肌あれ乾燥・肌あれ・トラブル予防敏感・乾燥・肌トラブル乾燥・肌あれ・高保湿敏感・乾燥敏感・ゆらぎ・乾燥6ブランドとも敏感・乾燥・肌あれの悩みに向き、近接順位でも対象ニーズは起点と一致する
探索軸1提供価値厳選成分で角層バリアを整える薬用ケア有効成分で肌荒れを防ぐ薬用の低刺激ケア抗炎症成分で守り、セラミドでうるおすケアヘパリン類似物質で保湿する薬用ケアアミノ酸系の低刺激処方でうるおすケア温泉水で肌を整える低刺激ケア違いはケアの手段に出る。有効成分・セラミド・ヘパリン類似物質・アミノ酸・温泉水と分かれる
探索軸2価格帯と代表商品の価格Middle 3,300円Middle 1,650円Middle 2,530円Middle 2,090円Middle 2,200円Middle 2,420円全ブランドがMiddle・開放流通にあり、代表商品の価格は2倍まで開く
分析軸1情報発信研究の蓄積成分と効能試験とその範囲成分の働き肌へのやさしさ温泉水と販売実績価値の根拠を、研究・成分・試験・肌へのやさしさ・温泉水のどこに置くかで分かれる
分析軸2企業グループ資生堂資生堂全薬グループコーセーと
マルホの合弁
第一三共ヘルスケアピエール ファーブルと
資生堂の合弁
製薬会社が関わるのは4ブランド。資生堂は6ブランドのうち3つに関わる

STEP 2-06

競合比較から得られた論点

比較から得られた9つの論点。研究と商品体系の伝え方から、他ブランドとの重なりと価格まで並ぶ。

探索軸と分析軸 探索軸1 対象ニーズ×提供価値×提供方法 対象の肌悩みとケアの手段 探索軸2 価格帯×販売チャネル 代表商品の価格と届け方 分析軸1 情報発信 伝え方の4項目 分析軸2 企業グループ グループ内の位置と比較対象 論点1〜4 01 敏感肌研究の伝え方 敏感肌を対象に、50年以上の研究を掲げる 探索軸1 02 薬用・研究に関わる情報設計 薬用・低刺激・バリアの価値を、研究と成分で一体に説明する 探索軸1・分析軸1 03 肌悩み・課題から商品提案までの導線 dプログラムは肌状態別の3シリーズを示す。アベンヌは 美容ステップで、ミノンはお手入れ早見表で商品の組み合わせを 案内する 探索軸1 04 新規購入と継続購入のための設計 ドラッグストア・量販店・ECを主に示す。詰め替えあり 探索軸2 論点5〜9 05 消費者の肌悩み・課題への応え 敏感・乾燥はアルージェ、ミノン、アベンヌと重なり、薬用は IHADA、カルテHDと重なる 探索軸1 06 商品選びまでの負荷の軽さ 選択時の迷いや説明の伝わり方は未確認。GA4の経路と操作の観察を 突き合わせ、迷いが生じる箇所の候補を探る 分析軸1 07 同一企業グループ内の棲み分け 同じ資生堂で、価格帯と販売チャネルの大枠が重なる。 dプログラムからの近接順位は1位 分析軸2 08 肌悩みごとの訴求のバランス IHADA・カルテHDは乾燥や肌あれを前面に置く 探索軸1 09 代表商品の価格差と選ばれる理由 容量の異なる代表商品では、3,300円が最も高く、IHADAの2倍 探索軸2
  1. 論点1敏感肌研究の伝え方
  2. 論点2薬用・研究に関わる情報設計
  3. 論点3肌悩み・課題から商品提案までの導線
  4. 論点4新規購入と継続購入のための設計
  5. 論点5消費者の肌悩み・課題への応え
  6. 論点6商品選びまでの負荷の軽さ
  7. 論点7同一企業グループ内の棲み分け
  8. 論点8肌悩みごとの訴求のバランス
  9. 論点9代表商品の価格差と選ばれる理由